C³(シーキューブ) vol.2 〜現代音楽と未来への《関》〜 《終了》
「現代音楽×弦楽四重奏」の切り口で新しい表現に挑戦するコンサート・シリーズ。
毎回、現代音楽界をけん引する旬の作曲家が、作曲技術の根幹をなす王道の編成「弦楽四重奏」で近江の地を描きます。
近江は古来から東西の地域を結ぶ交通の要衝。副題の《関(かん)》は、関所、入り口のことで、道のりを歩んでいく過程で様々な関門を通過した先に開かれる音楽をイメージしてお贈りします。そして、本企画のために結成した現代音楽のスペシャリストで構成するルリトラノオ弦楽四重奏団が、レジデント・アーティストとして現代音楽と近江・滋賀をつなぎます。
vol.2のテーマは「現代音楽と未来への《関》」
近江富士・三上山を弦楽四重奏で
今回の委嘱曲の題材は、近江富士と呼ばれる三上山。7000万年前の火山活動で形成された巨大カルデラの名残で、長い時間が作り上げた美しい山容は信仰の対象となり、その影響を受けながら営まれてきた人々の暮らしが今も息づいています(※注)。
新曲は、数々の作曲賞を受賞し、国内外から作曲依頼を受けている小出稚子さんに委嘱しました。小出さんは題材に即した柔軟な作曲スタイルで知られ、三上山を自ら登山して、弦楽四重奏曲「栖」を書き上げました。
また、会場のスティマ―・ザールは、楽器の響きを追求したオーナーが、楽器の内部に聴衆と奏者がいるような状況が理想と考え設計された空間。
20世紀が歩んだ歴史に想いを馳せて書かれたヴァスクス、シュニトケの曲、会場のスティマー・ザールゆかりの三善晃の曲、そして静かに時代を見守ってきた三上山を“すみか”にする様々な生物や人の心を眺めた小出稚子の弦楽四重奏曲を、調律された空間でお楽しみください。
※注 水田有夏志. 湖東「巨大カルデラの名残」を歩く〜特集「湖国のトレイル〜山の過去・現在・未来を歩く」より『 湖国と文化』187号
曲目
シュニトケ 弦楽四重奏曲第3番
三善晃 弦楽四重奏曲第1番
小出稚子 弦楽四重奏曲「栖」 *公益財団法人びわ湖芸術文化財団委嘱新作・世界初演
ヴァスクス 弦楽四重奏曲第4番
出演
ルリトラノオ弦楽四重奏団※
亀井庸州、松岡麻衣子(ヴァイオリン) 安田貴裕(ヴィオラ)、竹本聖子(チェロ)
※本公演のために結成された現代音楽のスペシャリストによる弦楽四重奏団。レジデント・アーティストとして滋賀との関係を深め、往来する中で感じた土地の魅力を音楽で発信する。メンバーは、東京オペラシティ「コンポージアム」、サントリーホール「サマーフェスティバル」、東京芸術劇場「ボンク リ・フェス」等の現代音楽の最前線で活躍する奏者。 団体名は滋賀県米原市の「伊吹山山頂にのみ自生する瑠璃色をした虎の尾に似た花」の名から命名。花言葉は「常に微笑みを持って」。
※6歳以上入場可
OUTLINE開催概要
日時 | 2024年11月9日(土) 14:00開演(13:30開場) |
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会場 | スティマー・ザール 〒524-0041 滋賀県守山市勝部5-2-62 |
チケット | 一般 3,000円 、24歳以下 1,500円 (消費税10%込み) 当日同一料金 全席自由、6歳以上入場可 |
発売日 | 8月10日(土) |
チケット取扱 | ーびわ湖ホールチケットセンター(現金、窓口販売のみ) TEL 077-523-7136 / 10:00〜19:00 休館:火曜日(休日の場合は翌日)、8/13〜8/18 ー びわ湖芸術文化財団オンラインチケット https://biwako-arts.tstar.jp ーローソンチケット Lコード55508 |
主催 | 公益財団法人びわ湖芸術文化財団、文化・経済フォーラム滋賀 |
後援 | 滋賀県教育委員会、大津市、大津市教育委員会、守山市、守山市教育委員会 |
協力 | スティマー・ザール、どうぶつおんがくたい、京都市立芸術大学現代音楽研究会club MoCo |
推薦コンサート | このコンサートはサントリー芸術財団佐治敬三賞推薦コンサートです。 |
チラシPDF | |
お問い合わせ | 公益財団法人びわ湖芸術文化財団 法人本部 地域創造部 電話077-523-7146 |
ARTIST参加アーティスト
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小出稚子KOIDE Noriko
作曲家第17回芥川作曲賞、第76回日本音楽コンクール作曲部門第2位と聴衆賞、2016年トンヨン国際音楽祭アジア作曲家ショーケース・ゲーテ賞など受賞多数。国内外から委嘱を受けており、2022年BBC Radio 3の委嘱による《揺籠と糸引き雨》がBBC交響楽団により初演され、23年7月には本国のBBC Promsにて英国初演。2023年4月、名古屋フィルハーモニー交響楽団の第4代コンポーザー・イン・レジデンスに就任。また、プロの音楽家と振付家による子どものためのパフォーミングアーツ・グループ「どうぶつおんがくたい」としても活動。題材に即した柔軟な作曲スタイルや斬新なオーケストレーション、細やかな音形や特殊奏法などによって造られる音響のテクスチュアと色彩が、小出の作風を特徴づけている。
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ルリトラノオ弦楽四重奏団
C³シリーズのために結成された現代音楽のスペシャリストによる弦楽四重奏団。
レジデント・アーティス トとして滋賀との関係を深め、往来する中で感じた土地の魅力を音楽で発信する。メンバーは、東 京オペラシティ「コンポージアム」、サントリーホール「サマーフェスティバル」、東京芸術劇場「ボンク リ・フェス」等の現代音楽の最前線で活躍する奏者。 団体名は滋賀県米原市の「伊吹山山頂にのみ自生する瑠璃色をした虎の尾に似た花」の名から 命名。花言葉は「常に微笑みを持って」。 -
亀井庸州KAMEI Yoshu
ヴァイオリン2000年ごろから主に同世代の作品初演を中心に活動を開始。東京音楽大学卒業後、2005年よりベルギー王立リエージュ音楽院において、欧州の20世紀音楽や即興演奏を学んだ。2007年より帰国後も引き続き同世代の作品初演活動に携わる。個人企画のほか、東京オペラシティ音楽財団、サントリー芸術財団、みなとみらいホール等の主催公演に出演し、内外の作曲家による室内楽、ソロ作品の初演、再演を中心として活動している。作曲者本人との共同作業にて初演した作品は100曲を超える。
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松岡麻衣子MATSUOKA Maiko
ヴァイオリン桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業、同大学研究科修了。IEMA(フランクフルト音楽・舞台芸術大学)にて研鑽を積む。アンサンブル・リネア、アンサンブル・モデルン等の現代音楽演奏団体で、世界各地の現代音楽祭やコンサートに出演。日本現代音楽協会主催・演奏コンクール「競楽Ⅵ」第2位。近現代作品の演奏を主軸に、17年結成のフィディアス・トリオ(クラリネット・ヴァイオリン・ピアノ)での活動、他ジャンルのアーティストのコラボレーションも意欲的に行なっている。
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安田貴裕YASUDA Takahiro
ヴィオラ東京音楽大学入学後、奨学金を得て州立フロリダ国際大学に入学。帰国後、同時代の作曲家と共に歩むことを主我に活動を行い、川上統作曲/ヴィオラと管弦楽のための「Cybele」の独奏ヴィオラなどをはじめ、40を上回る作品の初演に携わる。東京オペラシティ主催「コンポージアム」シリーズ、サントリーホール主催のポリーニ・パースペクティヴなどにも多く出演している。これまでに川畠正雄、三戸泰雄、山口裕之の各氏に師事。
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竹本聖子TAKEMOTO Seiko
チェロ東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。学生時代から作品発表に数多く参加。能声楽家 青木涼子による能と現代音楽を掛け合わせたプロジェクトに参加、薬師寺で奉納演奏を行う。川上統の組曲「甲殻」のCD録音及び世界初演、ゼミソン ダリルによる「河原院」他シリーズ、桑原ゆうの無伴奏作品「逢魔が時のうた」改訂世界初演など、ジャンルの垣根を越えた演奏活動を送っている。「淡座」メンバー、「オーケストラ・トリプティーク」首席奏者。