C³(シーキューブ) vol.1 〜古典と現代音楽の《関》〜

音楽を通じて、知と感性を刺激し合うような出会いや交流を目的とした地域アートプロジェクト「びわ湖・アーティスツ・みんぐる」。この新シリーズとして、現代音楽界をけん引する旬の作曲家が、ハイドン以降、完全なる四声体として作曲技術の根幹をなす「弦楽四重奏」という形態で新しい表現に挑戦します。
C³(シーキューブ)は今年から3年をかけ、古代から交通の要衝であった近江・滋賀の街道沿いの土地を巡り、毎回開催地にちなんだ新曲を発表。初回は関西出身の世界で活躍する酒井健治氏に委嘱します。また現代音楽のスペシャリストによるルリトラノオ弦楽四重奏団を結成、レジデント・アーティストとして滋賀の魅力を内外に発信します。
タイトルのC³は Current×Creation×Composition の造語。みっつの“C”でクラシック音楽の未来を描きます。全体のテーマは禅語の《関(かん)》。道のりを歩んでいく 過程で様々な関門を通過した先に開かれる音楽をイメージしてお贈りします。
プレコンサート(>>こちら)では、本公演で新曲を委嘱するリゲティ、ヴィトマン、酒井健治の作品を核に構成。
酒井健治氏による本公演のラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調第1楽章の楽曲分析にも注目が集まります。
現代音楽を研究する京都市立芸術大学現代音楽研究会 club MoCo の学生も企画に参画。次世代の音楽家と現代音楽の普及活動を行います。
※ルリトラノオ弦楽四重奏団は継続して出演。開催地と作曲家は各回のテーマに合わせて選定します。
曲目
ジョン・ケージ:4部分の弦楽四重奏曲
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
酒井健治:弦楽四重奏曲 第1番「フローティング・フェイズ」 ※びわ湖芸術文化財団委嘱新作・世界初演
リゲティ:弦楽四重奏曲 第1番「夜の変容」 ※生誕100周年
イェルク・ヴィトマン:弦楽四重奏曲 第3番「狩」
出演
ルリトラノオ弦楽四重奏団
亀井庸州、松岡麻衣子(ヴァイオリン) 安田貴裕(ヴィオラ)、竹本聖子(チェロ)
※本公演のために結成された現代音楽のスペシャリストによる弦楽四重奏団。レジデント・アーティストとして滋賀との関係を深め、往来する中で感じた土地の魅力を音楽で発信する。メンバーは、東京オペラシティ「コンポージアム」、サントリーホール「サマーフェスティバル」、東京芸術劇場「ボンク リ・フェス」等の現代音楽の最前線で活躍する奏者。 団体名は滋賀県米原市の「伊吹山山頂にのみ自生する瑠璃色をした虎の尾に似た花」の名から命名。花言葉は「常に微笑みを持って」。
コラボレーション企画
C³✖️滋賀県立図書館
10月に滋賀県立図書館で、本公演と関連する「街道」「比叡山」等の図書展示を行います。
C³✖️FUSE(フューズ)
マカロン専門店「FUSE(フューズ)」(大津市島の関 12-11)とのコラボレーションによる、新曲のテーマである「比叡山」をイメージした滋賀県産の特産品を使用したマカロンを本公演で限定販売します。
※期間限定で FUSE 店頭でも発売予定。
「フローティング・フェイズ」は比叡山をハイキングして着想された新作になります。いつもは空想や観念から作品のアイデアを得る事が多いのですが、今回は身体全体で比叡山を漂うオーラを体感してきました。 目に見えないイメージを表現するのに音楽という芸術はとても似合うのではと考えております。是非会場で皆様も神秘性を体感して頂きたいと考えております。 酒井健治
OUTLINE開催概要
日時 | 2023年10月28日(土) 15:00開演(14:30開場) |
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会場 | フィガロホール 〒520-0837 滋賀県大津市中庄一丁目16-14 琵琶湖線(東海道線)「石山駅」(京都駅から13分)又は「膳所駅」で京阪電車・石山坂本線に乗り換え。「中ノ庄駅」より徒歩3分 |
チケット | 一般 3,000円 、24歳以下 1,500円 全席自由 |
発売日 | 7月29日(土) |
チケット取扱 | ーびわ湖ホールチケットセンター(現金、窓口販売のみ) 10:00〜19:00 休館:火曜日(休日の場合は翌日)、8/13〜8/18 ーびわ湖芸術文化財団オンラインチケット https://biwako-arts.tstar.jp |
主催 | 公益財団法人びわ湖芸術文化財団、文化・経済フォーラム滋賀 |
後援 | 滋賀県教育委員会 |
協力 | フィガロホール、古民家カフェSORA、和田神社、京都市立芸術大学現代音楽研究会club MoCo、フューズ/FUSE |
その他 | この公演は、サントリー芸術財団 佐治敬三賞推薦コンサートです。 |
ARTIST参加アーティスト
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酒井健治 SAKAI Kenji
作曲家大阪府出身。京都市立芸術大学卒業後渡仏。パリ国立高等音楽院を最優秀で卒業し、Ircam(フランス国立音響音楽研究所)にて研究員を務める。作品はリヨン国立管、ルツェルン響、N響、読売日響、レ・ヴァン・フランセなどによって世界初演されている。武満徹作曲賞第一位、エリザベート王妃国際音楽コンクール大賞、文化庁長官表彰(国際芸術部門)、芥川作曲賞、ローマ賞、青山音楽賞「青山賞」など受賞多数。
また名古屋フィルハーモニー交響楽団コンポーザー・イン・レジデンス、オーケストラ・アンサンブル金沢コンポーザー・オブ・ザ・イヤーを歴任し、現在京都市立芸術大学准教授。同大学現代音楽研究会 club MoCo顧問を務める。
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ルリトラノオ弦楽四重奏団
本公演+のために結成された現代音楽のスペシャリストによる弦楽四重奏団。レジデント・アーティス トとして滋賀との関係を深め、往来する中で感じた土地の魅力を音楽で発信する。メンバーは、東 京オペラシティ「コンポージアム」、サントリーホール「サマーフェスティバル」、東京芸術劇場「ボンク リ・フェス」等の現代音楽の最前線で活躍する奏者。 団体名は滋賀県米原市の「伊吹山山頂にのみ自生する瑠璃色をした虎の尾に似た花」の名から 命名。花言葉は「常に微笑みを持って」。
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亀井庸州KAMEI Yoshu
ヴァイオリン2000年ごろから主に同世代の作品初演を中心に活動を開始。東京音楽大学卒業後、2005年よりベルギー王立リエージュ音楽院において、欧州の20世紀音楽や即興演奏を学んだ。2007年より帰国後も引き続き同世代の作品初演活動に携わる。個人企画のほか、東京オペラシティ音楽財団、サントリー芸術財団、みなとみらいホール等の主催公演に出演し、内外の作曲家による室内楽、ソロ作品の初演、再演を中心として活動している。作曲者本人との共同作業にて初演した作品は100曲を超える。
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松岡麻衣子MATSUOKA Maiko
ヴァイオリン桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業、同大学研究科修了。IEMA(フランクフルト音楽・舞台芸術大学)にて研鑽を積む。アンサンブル・リネア、アンサンブル・モデルン等の現代音楽演奏団体で、世界各地の現代音楽祭やコンサートに出演。日本現代音楽協会主催・演奏コンクール「競楽Ⅵ」第2位。近現代作品の演奏を主軸に、17年結成のフィディアス・トリオ(クラリネット・ヴァイオリン・ピアノ)での活動、他ジャンルのアーティストのコラボレーションも意欲的に行なっている。
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安田貴裕YASUDA Takahiro
ヴィオラ東京音楽大学入学後、奨学金を得て州立フロリダ国際大学に入学。帰国後、同時代の作曲家と共に歩むことを主我に活動を行い、川上統作曲/ヴィオラと管弦楽のための「Cybele」の独奏ヴィオラなどをはじめ、40を上回る作品の初演に携わる。東京オペラシティ主催「コンポージアム」シリーズ、サントリーホール主催のポリーニ・パースペクティヴなどにも多く出演している。これまでに川畠正雄、三戸泰雄、山口裕之の各氏に師事。
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竹本聖子TAKEMOTO Seiko
チェロ東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。学生時代から作品発表に数多く参加。能声楽家 青木涼子による能と現代音楽を掛け合わせたプロジェクトに参加、薬師寺で奉納演奏を行う。川上統の組曲「甲殻」のCD録音及び世界初演、ゼミソン ダリルによる「河原院」他シリーズ、桑原ゆうの無伴奏作品「逢魔が時のうた」改訂世界初演など、ジャンルの垣根を越えた演奏活動を送っている。「淡座」メンバー、「オーケストラ・トリプティーク」首席奏者。